観ました。
140分と長かったんですがそれがまた見ごたえあって面白かったです!

宮大工、岡部又右衛門が信長から城を作れと命じられ、安土城を建城する話。
西田敏行がすんごいハマり役でした。
それ以外のキャストはちょっと微妙だったかな。
でも娘役の福田沙紀とか、平次役の寺島進とか、あと木村次郎左衛門の渡辺いっけいとかはいいキャストだったと思う。
しかし、なんで又右衛門だったんだろ?
なんか他のメンツの中で一番地味な、地方の宮大工なのにな。
いきなり信長がやってくるところからの開始だったから、どこで目を付けられたのかがわからん。
そして城を作れと言われて、出来ると応えた又右衛門。
宮大工ってことは城作りは専門じゃないはずだけど、よく了承したな・・・
しかも今まで誰も作ったことがない破格の大きさの城とか。
五重塔はよく聞くけど、五重の城って珍しいみたいね。というか、この時までなかったのか。
又右衛門は愚直なまでに真っ直ぐな建築家で、最初は信長の行動力に振り回されたりして口をポカーンと開けてることが多かったんだけど、実際作り始めたら逆に信長を怒らせては説得して自分を通すことが多くて、自分の道を決して譲らずに貫く職人さんでしたよ。
信長は一度又右衛門に依頼したものの、吹き抜けの天守閣を作れと命じたら又右衛門が躊躇したので、作図争いで決めることに。
そこで唯一又右衛門が吹き抜け無しで城を作ってきて信長を怒らせるんだけど、又右衛門は全員のひな型に火を放ち、吹き抜けは火の道となりますゆえ、命に代えても作ることはできませんと言います。
そして信長は、又右衛門の城ならば、城が落ちても舞を舞う時間がありそうだとやはり又右衛門に任せるのです。
実際の安土城は吹き抜けがあったみたいだけど・・・w
でもあれはいいシーンだった。
他の二人が完成図のきらびやかな屏風絵付きで説明していたのに対して、最後の又右衛門はきっちり数字を書き込んだ細かい製図からの説明で性格と資金の違いが明らかに出てたw
あれは私でも又右衛門に頼むな。
だってもう他の二人は完成図と横からのざっくりした製図しかないとかナメくさってるだろ・・・
又右衛門は一階ごとの精密な作図を出して来て、几帳面な性格と頭の良さがうかがえました。
作図してるときに必要な材木を割り出した時の、「化け物のような城じゃ・・・」という台詞がずっしり来た。
もう覚悟が違いますよ、他の二人とは。
それにしても作図は観ていて圧倒されました。
すごい細かいわー・・・(;゚д゚)
あと、あの時代にも鉛筆的なものがあったんですねー。
竹の筆?みたいのに墨を付けて、まるで鉛筆みたいな使い方をしてて面白かった。
でも、多分線をひくためだけのものなんだろうな。文字は書きづらそう。
そして作り始める城。
そこで又右衛門が、信長に木曽の檜を探しに行きたいと申し出ます。
この人ほんとに仕事のためならどんな図々しい願いでも出来るから強いと思うわww
敵方の武将の領土に檜もらいに行きたいとかww
そんで自ら行っちゃうとかね・・・
使いを立てたりせずに自分で行っちゃうのがすごいところ。
だからみんな付いていくんだろうなあ。
木曽では何度も命の危険に遭うものの、真剣な気持ちが樵の長に伝わって、大雨が降れば必ず檜を届けると約束をもらいます。
その間に戦が起こったりして、城を建てる職人たちから砦を作るための人手が取られたりして・・・
届かない檜、帰らない仲間。
疑心暗鬼になる職人たち・・・
重圧から、妻に当たってしまう又右衛門。
そして初めて知る妻の笑顔の下に隠された思い。
ここで初めてわかるのかよっ!(;´д`)
今までそんな話してこなかったのかよっ!
でもそんなもんかもしれないなー・・・
仕事人間だから、妻の気持ちとか考えてこなかったのかもね・・・
ここから又右衛門の妻に対する態度が明らかに優しくなって、ちょっとほっこりしました。
少し遅かったけど。
その後に戦に行った仲間が帰ってきて、檜も届きます。
樵の長は敵方に檜を送った罪で死罪になってしまうのですが・・・
そうだよね、ただで済むわけないと思ってたよ・・・
しかし檜が来るのがあまりにも遅かったから本当に来ないんじゃないかって私もハラハラした。
単に雨が降らなかっただけだったんだけど、それにしても長かった・・・
忘れてなかったんだな。
義理がたい樵だなあ・・・いや、樵だから義理堅いんだろうか。
柱を建てるところは一大イベントでした。
太鼓に合わせて、男も女もみんなでわっせ!わっせ!と綱を引いて柱を建てるところはみんなの表情が輝いててすごくよかった。
その後の蛇腹の岩を動かすところとは対照的。
石工の清兵衛が山の長だから動かしてはならんと言った岩を、信長の命令で動かすことになるのですが、大惨事になって大変だった。
やっぱり人間は自然に逆らってはいかんのよ・・・(´д`)
次の日は作業を中止したけれど、信長が続けよと命じに来ます。
しかし又右衛門は、木組は木の心を組み、城作りは職人の心を組むことであるから今日は出来ないと断るのですが、やはり信長は許さぬと言って帰ります。
つーかほんとに信長と武士たちにはイライラさせられました。
あいつら命令するだけして全然手伝いやがらねえ(#゚д゚)
せめて柱立てるときとか手伝えよ!
お前ら力はあるんだろが!
綱引くだけなんだから出るだろうがあああ!
まあ、時代じゃないのはわかってます(´д`)
でもあまりにもいい人がいなくてさ。
信長は又右衛門の願いを聞く時もあるけど肝心な時に聞いてくれなかったりするしさ。
でも又右衛門は今回も言うことを聞きませんでした。
そういえば又右衛門ってお願いを聞いてもらえなくても自分のやりたいようにする人だった。
吹き抜け作らなかった時点で気付くべきだよ信長。
そして雨漏りに気付いた又右衛門。
ここからがものすごかった・・・
雨漏りの原因を突き止めた又右衛門。
自主的に集まってきた仲間。
彼らの最期の大仕事が始まります。
大柱以外の地盤が沈み込んで、大柱一本で城を支えている状態。
そのうち大柱が裂けるか、梁が折れて城は一気に崩れてしまう。
それを打破するには・・・
大柱を浮かせて4寸切る。
(゚д゚)
うっ・・・浮かせてって、もう全部骨組組んじゃって、床や壁こそまだだけど屋根板まで張ってるのに・・・
七段五重の城全部の圧力がかかってる大柱を、浮かせる!
やがて石工や女たちもやってきて、全員の力を合わせて大柱を浮かせ、その間に柱を切って又右衛門が組み合わせを加工して・・・
いやーもうほんと、綱を持つみんなの手から血がダラダラと流れていて木が気じゃなかった。
娘の手からも血が・・・うわあああー!(;´д`)
終わった後、誰も口を開けませんでした。
地面に崩れ、うずくまって涙する又右衛門。
「神の手は・・・お主ら、全員じゃ・・・」
完成した後に信長の台詞が入るんですけども、お前何もしてないだろ(#゚д゚)とか思って気分ぶち壊しになってしまった私。
完成した後の大工達の絵は一切入りません。
ただ、完成して明かりに照らされ夜空に浮かび上がる安土城は美しかった。
思わずあらすじ書いてしまいました。
面白かった。
本当に面白かった。
なんか大河ドラマ一本観た気分になりました。
色々と摩擦もありましたが、人を信じる力とか仲間の絆の強さが素晴らしかったです。
2日続けていい映画観たわー。
順番もベストだったな。
うん、満足(*´∀`*)