すんごい密度の濃い109分でした・・・
うう、気持ち悪い。なんだろう、この酔った感じ。
でもめちゃくちゃ面白かった・・・!

評判がいいので借りてみたんですけど、ほんと評判がいいだけあるなって思いましたよ。
今年に入ってからこの作品にかかわったデザイナーの石岡瑛子さんが亡くなったので、それがきっかけで観たんですけどね。
その人の名前自体亡くなってから知ったくらいなんですけど、あまりに惜しまれていたので気になりました。
観て良かったです。
事前にあらすじを何度読んでもなんか全然ピンと来なくて覚えられなかったので、ほぼ予備知識無しの状態で観ました。
なんの映画か理解するのに時間かかったけど、冒頭からすごく面白かったよ。
映像が!
もう映像が!
デザイナーさんが惜しまれるだけあるわあー。
なんかもう、デザインがすごいんだもの。
それに、音楽!
冒頭のアラブ風の音楽すごくいいわあー。
最初は眠りっぱなしの子供の精神にもぐりこんで、彼を目覚めさせるのが目的なのかな?って思ってました。
でも途中から猟奇的な殺人者が出てきて、うん?なに?この人なに?って。
戸惑っているうちに、その猟奇的な殺人者が捕まって、まだ発見されていない被害者の居場所を探るためにその殺人者の精神にもぐりこむことに。
すんごいスリリングな展開でしたよ・・・!
最初の男の子、エドワードは広い広い砂漠の中にある広場にぽつんといた感じで、なんか乾いてるけど広々とした明るい世界だったんですけどね。
エドワードの発想力もすごい良かったですし。
キャサリンに懐いてて、彼女を大切にしてるのもよくわかりましたし。
でも殺人者であるスターガーはもう大人だし、猟奇的殺人者だし、そもそも女をターゲットにして殺しまくってる犯罪者なのにその心に女が単身もぐりこんで行くっていうのがもうありえない・・・!
一応戻って来られる装置はあるんだけど、もし戻って来られなかったらどうするの?ってすごいハラハラした(;´д`)
スターガーの心の中は薄暗くて狭い通路と部屋が沢山あって、殺して漂白剤付けにした被害者たちが飾り付けられていたりして。
しかし彼女たち一人一人の服装というか格好が、また凝っててすごい・・・。
恐ろしいんだけどすごい。
やっぱりイカれてる方が心の中はバリエーションに富んでるんだろうか。
何度ももぐりこんで行ってましたけど、スターガーも色んなのがいましたよ・・・
少年、大人、心の中の王。
王のぎらぎらっぷりすさまじかった。
薄暗い少年期と王様のごてごてっぷりが全然違ってて。
王様のごてごてはアレだね、300のペルシャ王のごてごてに近い何かがあるね。
あれをもっと金色にした感じ。
全体的に薄暗い雰囲気のスターガーの心の中で、あれだけがやたら浮いてた。
ラストで王が泉の底から浮かんでくるのとか、ほんとすごかった。
最後らへんでキャサリンが自分の心の中にスターガーを引き込むところがあるんですけど、キャサリンの心の中はすごい綺麗でした。
桜舞い散る女王の間って感じで。
床は桜の花びらが1cmくらい積もってて、桜の花びらで砂遊び出来そうだったww
ちらはらと降り積もる雪のような桜吹雪が綺麗だった。
しかしキャサリンはすごいと思うよ・・・
確かに少年スターガーはスターガーの良心で、幼いころから父親に虐待されてきて可哀想な子供ですよ。
でもそれだけがスターガーじゃないじゃんか。
なのに少年スターガーを救おうとあそこまで出来るのがすごいわ。
まあ、確かに虐待の様子はつらかったけどね・・・
映像出てなかったけど、声だけでもつらい。
それにしても、王がやってきた後のキャサリンの心の中の変貌ぶりといったら・・・
やっぱり人の心には光と闇があるんだなー。
あれはきっと闇なるキャサリンだ・・・
衣装も黒かったし・・・
ボウガンとか刀とか持ちだしてたし・・・(;´ω`)
戦う女のキャサリンかっこよかったです。
守るもののためには自らを闇に落としても戦うみたいな感じで。
でもキャサリンが王を一方的にボコボコにしていた時、私はそれどころじゃなかった。
今まさに被害者を助けようとFBIの人が走ってたところだったし、被害者死にそうだったし。
ああもうキャサリン無双とか今いいからはよ!はよ助けて!ってかなりアセアセしました(;´ω`)
そのキャサリン無双がないとこの映画の本分がなくなってしまうのはわかってますけどね!
被害者無事でよかったです・・・。
FBIのノヴァックはなんつーか思い立ったら一直線タイプで、観ていて清々しかったです。
男前だ・・・!
まあちょっと被害者を救いたいがためにキャサリンの負担とかを軽んじる傾向にありましたけどね。
被害者を助けたいのはわかるけどそこ無理させたらキャサリンの心が死ぬんだがwwwみたいな。
そこら辺は精神科医と警察の違いだろうなぁ。
最後は彼も精神にもぐりこんで色々と酷い目にあってたので、よくわかったと思いますよ。
観てて痛かった。
半端ねえ。アレ半端ねえ。
やっぱサイコ系って生きたまま拷問するの好きなんかな・・・
私はアレ系嫌いだから観ててしんどかったー(;´д`)
まあそんなこと言ったらカールが自分で自分を吊り下げてたのもかなり観ててしんどかったけどね!
やっぱり精神的な話だからか、色々と過激な映像が端々に出てました。
なんか、サイコ系って普通に手足飛ぶ系のグロより来ますね・・・平気な人は平気なんでしょうけども。
死体とかも結構アレだったしなー。
顔に虫這ってるのとか。うわって。
でも死後硬直してないのはなんでだよって思いましたけども、そこは映画だからまあいっか。
そこらへんのうわって気持ちをマイナスしても充分面白かったですよ。
それにしても、スターガーの心の中ではスロー再生・・・?ってくらい音声がゆっくりエコーだったな。
あれはなんでなんだろう。
水の中を意識してたのかなあ。
しかし、本当に被害者助かってよかったわ・・・
スターガーの水に対するトラウマはよくわかったけど、どうせなら白に対する執着も描いて欲しかったなーとか思ったり。
アルビノの犬を飼ったり漂白剤を山のように持ってたり、でも車は普通に青だしなんだったのかしら・・・
心の中が真っ白かというと、全然そんなこともなかったしね。
なんか白に憧れてるとかあったのかなあ。
スターガー最後死んじゃったのかな。
なんか、可哀想だったな。
敵が自分自身ってつらいね。
自分の中に自分でもコントロール出来ない部分があって、それだけを消すとかそれに勝つとかも出来なくて、逃げたくても自分だから逃げられないし。
少年スターガーはあれで救われたんかなあ・・・
とりあえずキャサリンは感情移入し過ぎだ・・・
あんた、そんなんじゃ身が持たないよ・・・?
ところで、キャサリン役はジェニファー・ロペスでした。
とても有名な女優さんですけど、私彼女が出てる作品観るの初めてだわ。
なんか、メイクによって顔が全然違うのねー・・・!
エドワードの中にいる彼女、普段の彼女、心にもぐりこむ用コスチューム来てる時の彼女、カールの中の彼女、自分の心の中の彼女。
全部違う顔だった・・・((((((;゚д゚))))))
ちなみに私は普段の彼女が一番綺麗で好き。
あと、綺麗な外見に比べて声が可愛い。
もっと強い声を出しそうなのに、ちょっと小さめの可愛らしい声でギャップにびっくりでした。
面白かったです。
サイコ系好きな人はぜひ一回観てほしいな、と思いましたですよ。
【ここから追記】
監督の副音声字幕入りでもう一回見たんですけど、やっぱり面白いです!
監督もベタ誉めしてましたけど、作中で殺される死体役の女性がやたら印象に残りますね。
スターガーが殺した女性を漂白剤漬けにするのは女性達をお人形にするためらしいのですが、その死体役の女優さんは本当にお人形みたいな綺麗な人だしプロポーションもバッチリだし、死体役なのになんていうか演技力すごかったです。
二回目見ると改めて思う。
綺麗なお人形さんだなぁーって。
あと、スターガーの心の中の王はスターガー役の人自身が演じてたのか・・・
まあスターガーの心の中なんだからそりゃそうなんだけど、別人すぎて違う人だとばっかり・・・
すごい・・・本当にすごいよ・・・
同じ人とは思えないよ・・・
ほんっとにメイクすごいな!!
衣装とか美術にばっかり目が行くけど、メイクほんとすごいよ!
キャサリンの七変化もすごいけどスターガーもすごい。
声も演技も変えてるから余計なんだけど、ほんと同じ人に見えない。すごい。
スターガー役の人も演技力すさまじいなって思いました。
怪演ってこういうことか・・・
ダークナイトのジョーカーといい、悪役の人は演技で魅せてくれますねえ。
演出の助けもありそうですけど、私の中では並びますよ。
ジョーカーとスターガー。
ちなみに私が一番好きなスターガーのシーンは、王が初めて出てくるシーンです。
背中に繋がった紫の布を引きずりながら階段を下りてくるところ、あそこが一番好きだ。
馬鹿馬鹿しくて意味がないけど、仰々しくていい。
二度目ともなると展開がわかってるので、音声は英語のまま、字幕は監督の解説のみで観てたんですけど、映像が面白いのでそれで十分楽しめました。
音楽もいいね、オープニングの曲が未だに耳に残ってるよ。
オープニングの馬に乗ってキャサリンが砂漠を駆けるシーン、すごく好きだな。
私、映像で視覚的に訴えかけるような作品が好きなのかも。
映像麻薬って聞くけど、まさにそんな感じだわー。
一回目ではFBIの動向にハラハラしてちゃんと見られなかったラストのキャサリンvsスターガー戦ですけど、二回目ではちょっと短いんじゃない?ってくらい面白かったです。
やっぱりアレは必要だったね!
むしろメインだもんね!
ところで個人的な話になりますけど、FBIのノヴァック役の人がね・・・
今の会社の最初の上長に似ててね・・・
観ていてとても気が散りました。
彼自身にはなんの罪もないんですけどね!
なんかしょっちゅうそんなこと言ってる気がするよ・・・
世の中にそっくりさんって意外と多いんですねー・・・。
あと、監督さんってインド出身の方なんですね。
面白いなあーインド出身監督の作品って。
結構細かいところでこだわるタイプみたいで、解説は観てて面白かったですよ。
こだわると同時に執着もしてるね。
誘拐されたジュリアっていう女性役の女優さんに対する愚痴がすごくてワロタwwww
どんだけ根に持っとるんwwww
あとは顔にかける布も自分の思い通りのが使えなかったって何度も何度も繰り返し忘れたころにまた言い始めてて、ジュリアと布が気に入らない話にどんだけ時間割いとるんwwwって笑った。
基本的には俳優とスタッフにとても感謝しながら映画を仕上げてるいい監督さんっぽいんですけどね。
一か所躓くと長いみたいで、そこがなんか子供っぽくて面白かったです。
それ以外にも色々面白かったですよ。
躓いたら人に意見を求めてみて、なんでもない話にヒントを得て作ったとか、この終わり方はみんなからブーイング食らったから変えたとか、この演出はこだわったとか、反対が多かったけど押し切ったとか、思いどおりじゃなかったけどやってみたら良かったとか、そういう感じの話が多かったかな。
あと、映画中で違和感を感じたポイントの説明もされてて面白かったです。
スターガーに囚われたキャサリンが正気に戻るところ、確かにちょっと弱かったよね・・・
でも監督の思った通りにしてたらきっと批判とかで面倒くさいことになってたと思うから、スタッフの言うとおりにして良かったと思うよ・・・
更にスタッフ解説の字幕もあるんですけど、それはもう観てる時間がないのでいいかな・・・。
うーん、どうしよう。
面白そうだなあ・・・悩むわ。