DVD観ましたー。
AKIRAの大友克洋監修の3話オムニバスアニメ映画。
1話目の脚本・設定を今敏監督が務めていたので借りました。
実のところ1話目だけ観ればあとはどうでも良かったんですが、一応借りたので全部観ました。
それぞれ全然違う話で見ごたえがあったよ。

・彼女の想いで
一番好きな話。SFですね。
2092年という設定で、宇宙ゴミの処理なんかをする船が遭難船からのSOSを受け取って、救助に向かうんだけど・・・っていう話。
脚本と美術が今監督だけあって、彼の色が全面に出ている作品だったと思いますよ。
あの現実と幻想の区別が付かなくなるところとか、本当に上手い。
監督が違っても全然色あせてなくて、やっぱり今さんすごいと思いました。
もしかして絵コンテも書いたんじゃないかなー。
絵がどことなく今さんの絵だった。
てか、つくづく今さんてロマンチストなのね・・・
そうでなかったらあんな話書けないと思うのよね。
つらい現実から目をそむけて想いでの中だけに生きた彼女。
その彼女が死してもなお生き続けるその想いでに次々と引き寄せられていく宇宙船の作業員たち。
ミゲルは途中からヤベーなと思ってましたが案の定どっぷりと浸かっちゃいましたな・・・
アレは無理、もう完全に助からない。
奥様と幸せに過ごしていても、絶対にミゲルの名前では呼んでもらえないんだけどあいつはそれで満足なのか・・・(´・ω・)
途中から完全にミゲルに照準絞ってたよね奥様・・・
なんだろ、やっぱりコイツは行けるとかそういうの判断するのかな。PCが。
でもPCと言いつつ完全に奥様乗り移ってるでしょ(;´д`)
しかし武骨な宇宙船の中に入ってみたら中世ヨーロッパのような御殿だったり、人気のない御殿のどこかにふと触れた瞬間に色鮮やかな幻想がぶわぁーっと広がって青空があって動物がいて人がいて・・・
あれが現実に起こったら目が回るかも。
引き寄せられてしまうのもわかるかも。
しかし何故引き寄せるようになってしまったんだろうな・・・
ロバート一人いればよかったはずなのに。
やっぱり想いでに浸っているだけでなくて、本物の人に囲まれていたかったのかもね。
ハインツのトラウマはビックリした。
なんとなく様子がおかしいところはあったけど、ああいうことだったとは・・・
ハインツあの後助かったのかなあ・・・
ミゲルは完全に無理だけど、ハインツだけでも助かってほしいなあ。
終わり方もちょっとロマンチックだったな。
大きな薔薇か・・・
オペラ素敵でした。
あの状況でオペラが流れると自分まで狂いそうになるね。
歌には力があるよ、本当に。
・最臭兵器
S・・・F?
かどうかはわからんけど、薬品会社の社員がインフルエンザの注射打った後に薬品のサンプル飲んだら大惨事になった話。
こっちは監督・キャラデザが大友監督だということで・・・
うん、絵がそんな感じ。
面白くはあるんだけどスッキリ解決しない、私好みではないお話でした。
まずなんで赤い瓶に入った青いカプセルって言われて青い瓶に入った赤いカプセル飲んじゃったのかがわからん。
つーか主人公の鈍感力すげえ・・・!
なんで?なんでああなっちゃうの?(;´д`)
普通途中で気付くだろうがー!!
彼はあの後ずっと最終兵器彼氏として生きるしかないのだろうか・・・
いや、彼女いないから彼氏じゃないか。
あの倒れた人や動物たちはみんな死んじゃってるのかしら・・・
生きてはいるんだよね?ね?(;´д`)
全ての花を咲かせたうえに全ての動物を眠らせ、しかも電磁波を発生させて機械まで破壊してしまうという最臭兵器・・・
最初臭いだけだったのにどんどんパワーアップして最後の方電気ばちばち言ってたんだけど何がどうなったらああなるんだ・・・
でも自分は平気なんだね。
カメムシなんかは自分の毒で死んじゃったりするらしいけど、彼の場合は違うらしい・・・
でも誰か本人に教えてやれよと思ったんですけど何故それが出来ないんだろうか。
なんか拡声器で理由を説明して局長と話をさせてやるだけで済む話じゃないか・・・
でも職務に忠実なだったからなあ主人公。
止まれって言われても止まらなかったかもね。
厄介な男やで・・・
しかし何故最後に宇宙服を着て現れたんだろう?
誰かが気を利かせたのかな?
いやでもだったら理由説明してるってことだから脱がないよなあ・・・
ああ、スッキリしない。
・大砲の街
どこかと戦争をしている大砲の街に住む一家三人、それぞれの一日の話。
そこら中の家の屋根から大砲が生えてて、なんつーか・・・
破壊したくなった☆
ゲームなら確実に破壊対象だろアレ!
あと蒸気系の機械がすごい多かったなあ。
なんかスチームボーイの原点になった作品らしいんですが、大砲の街と言いつつスチームっぷりが色んなところに出てましたよ。
話は面白くもなんともないんですが、映像はすごくよかったです。
キャラも可愛くもなんともないんですが、絵のタッチとか、全編1カットのみていう撮り方とか。
絵のタッチはなんか色鉛筆で主線を描いてベタ塗りしたみたいな描き方だった。
手書きっぽいタッチで影も描いてるから、コマが進むと独特の動きになって面白い。
あと全編1カットはすごかった!
臨場感が出るね、螺旋階段の上から下までを映してそのまま大通りに行って電車が映ってそこから屋根に視点が行って学校に入って、学校の窓から父親が働く砲台に行って・・・
小さな街なのに世界が広かった。
きっとカットがないからひとつの目で色々見てるのと同じ状態になるんだろうな。
面白かったよ。
一家はそんな好きじゃないです。特にお父さんが怖かったです。
いや、なんつーんだろ。
陰気で無口でなおかつ決して有能じゃない、むしろなにかやらかしそうなハラハラ感がある。
そして実際やらかしてた。
怖ぇ・・・(;´д`)
心臓に悪いからやめてくれ;;;
まあただでさえどこと戦争してるのか知らないけど将来は砲撃手になりたいって子供が言ってたり、ニュースで今日のわが街が敵に与えた損害は小いくつで中いくつでーとか言ってスローガンを淡々と言ってみたり、可愛いタッチなんだけど陰気でどこかブラックな感じがちょっと怖かったり。
なんつーか、戦争中ってああなのかなあ。
でも流石にどこと戦争してるのかくらいは普通わかるよなあ・・・
映像としてはすごく面白かったです。
3話で110分でした。
長すぎず短すぎず、丁度良かったと思います(´ω`)